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シンポジウム S04

景観の生態学的修復と創造

企画者: 鎌田磨人(徳島大学), 江崎保男(兵庫県立大学), 藤原宣夫(岐阜県立国際園芸アカデミー)

「景観」とは,異質な生態系がモザイク状に分布する空間の全体的なシステムである.「景観の生態学的修復・創造」とは,地域全体の自然環境を向上させることを共通の目標とし,個々の場で生物の生息・生育環境を構成する要素や要素間のつながりを再構築していく営みである.

そのための理念や原則を現場に適用していくためには,事業の計画段階と実施段階それぞれで,現実的な解を与えていくための論理と,それを実現するための技術が必要である.日本景観生態学会,応用生態工学会,日本緑化工学会は,その道筋を示そうとしている応用系の学会である.景観生態学会は,「生態的土地利用施策,国土・地域のエコロジカル・プランニング,生態系管理の基礎となる景観生態学を発展させ,その理論やツールを様々な場での問題解決に使えるようにしていくこと」を目指している.応用生態工学会は,「人と生物の共存,生物多様性の保全,健全な生態系の持続を共通の目標に,生態学と土木工学の基礎知識および実際的問題についての研究成果をもとに,両分野の関係者が共同してそれらの境界領域に新しい理論・知識・技術体系を発展・展開させること」を目的としている.日本緑化工学会は,「景観・生態系の修復に向けて,特に緑を回復するための技術開発に取り組んでいること,また,産業界の会員が多いこと」が特徴である.

本シンポジウムでは,これら3学会の幹事長でもあるオーガナイザーが講演者を集め,「景観の生態学的修復・創造」に向けての現時点での到達点と,これからの課題について検討する.

[S04-1] 生態系の繋がりの把握と土地利用計画への応用 夏原由博(京都大学)

[S04-2] ネットワーク構造の再生による氾濫原環境の修復 河口洋一(九州大学大学院工学研究院)

[S04-3] 川の蛇行と流量は一次生産過程に影響するのか? 萱場祐一 ([独]土木研究所・自然共生研究センター)

[S04-4] 在来野草種苗を利用した外来植物の防除と植生回復 入山義久(雪印種苗[株]北海道研究農場)

[S04-5] 森林表土を利用した法面緑化工で成立する植生 細木大輔(国土交通省国土技術政策総合研究所)

[S04-6] "風土"の再構築は可能か−プロセスプランニングの展望 伊東啓太郎(九州工業大学)

日本生態学会