| 要旨トップ | ESJ57 企画集会 一覧 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


企画集会 T22 -- 3月18日17:30-19:30 A会場

アグロエコロジー研究会 「農生態学への誘い」

企画者: 嶺田拓也(農研機構・農工研), 日鷹一雅(愛媛大・農)

アグロエコロジー研究会は、1998年当初、自然環境保全と農業の持続性とが対立志向に陥らないように両者の関係性を探求する目的で始った。そして生態学と農学との総合アプローチから、環境保全農業、有機農法等の農法論、農業と生物多様性との関係、持続的農業の生態学の基礎原理と実際などについて、論議を重ねてきた。また、今まで取り上げてきた話題は、タイムリーな話題に沿って、水田生物群集の動態、生物多様性、絶滅危惧動植物、ホットスポット保全、農村生態系の再生、持続的農業、有機農業技術、生物的防除技術、インタプリターの必要性など多岐にわたる。本学会でも、COP10に向け農山魚村生態系への関心は高まっており、本分野は無関係ではないであろう。Agroecologyは応用生態学の一具現であり、基礎生態学と農学者の両方の素養を必要とするため、わが国の教育システムでは基盤作りが困難な状況にある。このたび、「AGROECOLOGY」(S.R.Gliessman)の日本語訳本も出版準備が進み、その上梓にあわせて、特にわが国における今後のアグロエコロジーの体系的な方向性を探る集会を意図した。我が国では、希少な研究者の先達から話題提供をいただきながら議論を進める。

また、この分野を高所から見ていただける有識者のコメンテータを予定している。

[T22-1] 我が国のアグロエコロジーとアグロエコロジー研究会の歩み 嶺田拓也(農研機構・農工研)

[T22-2] 農法とアグロエコロジー〜モンスーンアジアを事例として〜 宮浦理恵 (東京農業大学・国際食料情報学部)

[T22-3] 農業生態系における物質循環〜窒素とリンを中心として〜 三島慎一郎(農環研)

[T22-4] 大学農場での地 域連携とアグロエコロジーの展開 小松崎将一(茨城大・農)

[T22-5] 生活者教育としての有機園芸とアグロエコロジー 澤登早苗(恵泉女学園大・人間社会部)

[T22-6] AGROECOLOGYから「農山漁村の生態学」へ:在地に潜む技能を研究し持続的暮らしに活かす 日鷹一雅(愛媛大・農・農山漁村)


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