| 要旨トップ | ESJ59 企画集会 一覧 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


企画集会 T10 -- 3月18日 17:30-19:30 L会場

社会的な意思決定における生態学の役割

企画者: 岸本康誉, 坂田宏志

近年、生態学には社会的な期待に応えるための、具体的で実用的な研究成果が求められている。この研究成果の社会への還元は、生態学者の責務であるとも言える。

社会的な意思決定に寄与するには、意思決定の所在を明確にした上で、必要とされる情報を把握し、その内容を満たすためのデータの収集と、頑健性の高い解析が必要である。さらには、データ収集から解析、意思決定支援までの作業を体系化することが重要である。しかし、意思決定までのプロセスや、それを支援するために必要な情報は、対象とする分野や動植物種により多様であり、同時に、対策の状況や社会の情勢などによって、時間的に変化することもある。

この企画集会では、野生動物管理から水産資源管理、森林生態系保全、生物多様性保全などの多岐にわたる分野から、データ収集・解析、意思決定支援までの具体的・実践的な例を紹介する。その内容を踏まえ、生態学における研究成果を社会に還元するために必要なデータの内容や収集方法、解析の役割、その体系化について議論していきたい。

コメンテーター:松田裕之(横浜国立大学)

[T10-1] 意思決定に必要なデータ収集と解析~シカ・イノシシ保護管理における意思決定支援システムの構築を例に~ 岸本康誉・坂田宏志(兵庫県立大学)

[T10-2] 生物多様性保全のための情報集積と活用~意思決定支援のためのデータ収集プロトコル~ 大澤剛士(農業環境技術研究所 農業環境インベントリーセンター)

[T10-3] 森林生態系保全のための意思決定支援~県域スケールでのシカ被害評価を例に~ 藤木大介(兵庫県立大学)

[T10-4] 生物多様性保全における行政のニーズと研究機関からの情報提供~外来生物や希少生物、野生動物保護管理の意思決定を例に~ 浅田正彦(千葉県生物多様性センター)

[T10-5] 水産資源管理における意思決定支援~小型浮魚とマグロの管理を例に~ 黒田啓行・大下誠二・田中寛繁・安田十也(西海区水産研究所)・高橋紀夫(国際水産資源研究所)


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