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一般社団法人日本生態学会 学術雑誌刊行規則(2024年2月17日改訂)

  1. 日本生態学会は、学術雑誌としてEcological Research、Population Ecology、Plant Species Biology、日本生態学会誌および保全生態学研究を刊行する。
  2. これらの学術雑誌には、広く生態学に関する原著、総説、短報、学術情報などを掲載する。
  3. 投稿の規定は別に定める。
  4. この規則の改訂は、編集委員会の議を経て理事会の承認を得て行うものとする。

保全生態学研究投稿規定(2003年4月制定、2025年1月第12回改訂)

編集方針

保全生態学研究(Japanese Journal of Conservation Ecology)は、一般社団法人日本生態学会が定期的に刊行する保全生態学の研究・情報誌である。生物多様性の保全、健全な生態系の維持と再生、自然保護、地球環境問題、持続可能な資源利用など、広義の保全生態学に関係する多様な研究の成果を論文や総説として掲載するほか、保全に携わるあるいは関心がある人々に情報交換の場を提供することにより、保全生態学の発展と普及を図り、課題解決に貢献することを目的とする。原生的な自然だけでなく、人間活動とのかかわりの深い森林、草地、農地、都市や公園、河川や湖沼、海岸や漁場など多様な生態系に関する話題や、保全にかかわる法制度や人と自然のかかわりに関する話題などを幅広く扱う。
 原著論文などを掲載するほか、根拠に基づいた保全(evidence based conservation)を推進するため、客観的な根拠の提供に特化した実践報告を Conservation Evidence と連携して国際的なデータベースに登録する。
 本誌はオープンアクセスジャーナルであり、印刷媒体として出版されるとともに 科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE) からオンライン提供される。また受理原稿が早期公開される。なおJ-Stageが稼働しない場合もPorticoのオンライン提供保証サービスで利用できる。

記事の区分

 

保全生態学研究は、以下の記事を掲載する。
1.査読付き区分

  1. 原著論文 (Original Article):広く保全に関する生態学的研究やそれとかかわる政策研究など、新たに得た学術的知見をまとめ考察したもの。
  2. 総説・解説 (Review):保全生態学やその周辺分野の課題を取り上げた総説、および保全生態学の研究で用いられる手法などの解説。
  3. 調査報告 (Report):絶滅危惧種、侵略的外来種、地域の生物相・生態系の危機や回復の現状など、独自の調査に基づいた新知見を報告するもの。
  4. 実践報告 (Practice Report):生物多様性の保全や復元を目的として行われた活動について、成果を科学的に検証したもの(期待していた成果が得られなかったものも含む)。新規性よりも客観的な根拠の提供になっていることを重視する。論文のメタ情報やPDFをConservation Evidenceに転送し、データベースに収蔵する。
2.査読なし(編集委員会確認)区分
  1. 保全情報・学術提案・巻頭言 (News, Scientific proposal):物多様性に関するデータや事項の解説的な短報、海外の研究や実践活動の科学的紹介、科学にもとづく提言など、保全生態学の発展に資する幅広い情報記事。巻頭言は特集の導入や編集委員会からの情報提供等を行うもの。

倫理方針

原稿を投稿する際、著者は投稿規定を理解し、遵守しなければならない。編集委員会がこれらの規定に従っていないと判断した原稿は、編集委員長が審査を行わずに却下または撤回することがある。投稿原稿は、原稿の一部または全部が未発表であり、他の媒体において出版が検討されていないものに限る。ただし、プレプリントサーバーでの原稿の公開についてはその対象外とする。

1.投稿資格
 本会会員、非会員を問わず個人は投稿資格を持つ。

投稿後は、すべての著者が、投稿原稿を確認し、投稿に同意しているとみなす。また、すべての著者が投稿原稿の著者リストに同意しているとみなす。投稿後の著者リストの変更(著者名の追加や削除、著者順の再配置など)には、著者全員の承認を得る必要がある。編集委員長は、必要に応じて上記の事項を著者に確認することがある。

2.データの改ざん、捏造および画像の同一性

著者はデータの改ざんや捏造を行ってはならない。著者は画像をデジタル加工・処理することができるが、以下のすべてを満たすものでなければならない。

  1. 調整が最小限に抑えられていること。
  2. 加工は局所的・部分的でなく、画像全体に施されていること。
  3. 研究コミュニティの基準に沿った処理であること。
  4. 処理を行った旨を原稿に明確に記載していること。

原稿に含まれる全ての画像は、元のデータを正確に反映していなければならない。著者は、画像について部分的な移動、削除、追加、強調を行ってはならない。編集委員長は著者に対し未加工のオリジナル画像の提出を要求することがある。要求された画像が提出されなかった場合、原稿は却下または撤回されることがある。

3.著作権のある資料の転載

著者自身が著作権を持たない資料が原稿に含まれている場合、著者はその著作権者から転載について許諾を得る必要がある。既に公表・出版されている資料が原稿に含まれている場合、著者はその著作権者および出版者から転載について許諾を得る必要がある。その場合、原稿の投稿時に転載する資料すべての転載許可書のコピーを原稿に添付しなければならない。

4.データおよび資料の入手可能性

著者は、公開されているデータや資料について、出所(公開リポジトリやデータベースなど)を開示しなければならず、必要に応じて登録番号やデータベースの詳細を論文に記載する必要がある。

著者は、自分のデータや資料を補足資料(電子付録)として公開するか、公的データベースやリポジトリなどで公開し、これを論文にリンクすることによりアクセスできるようにすることが推奨される。

5.守秘義務

本誌は未発表原稿の機密性を保持する。本誌へ原稿を投稿することにより、著者は原稿に関する全ての連絡(編集部、編集委員からの連絡)の機密事項を厳守することを保証するものと見なす。

審査方針

原稿の作成は、日本生態学会和文誌執筆要領 に従う。原稿の投稿は、編集委員会が指定する 編集委員会が指定するウェブシステム から受け付ける。 このシステムを利用できない場合は、編集委員会に問い合わせる。

1.審査

査読付き区分の記事については、複数の査読者による査読を受けるものとする。本誌はシングルアノニマイズド方式の査読を採用しており、査読者の名前は原則として公表されない。論文の内容に関して問題があると編集委員が判断したときは、投稿者にその旨を通告し、改訂を求める。掲載が不適当であると編集委員長が判断したものについては、理由を明記して投稿者に返却する。査読なし区分の記事については編集委員会が掲載の可否を判断するが、関連分野の専門家に評価意見を求めることがある。審査項目は以下の通りとする。

記事種別 審査項目
原著論文 ・読者にとって知る価値のある情報であるか
・学術的な手続き(調査,解析,考察など)は妥当であるか
・内容は学術的な状況をふまえているか
・一般性があるか
・学術的な重要性はあるか
調査報告 ・読者にとって知る価値のある情報であるか
・学術的な手続き(調査,解析,考察など)は妥当であるか
・内容は学術的な状況をふまえているか
・発見した現象やアイデアの重要性,記載データとしての重要性はあるか
・原著論文ほどの一般性は求めない
実践報告 ・意図的に行われた保全活動の成果が検証されているか
・保全活動の詳細やその成果を検証する手法が適切に記載されているか
・学術的な手続き(調査,解析,考察など)は妥当であるか
・その他、Conservation Evidenceに関する別添 を参照
総説・解説 ・読者にとって知る価値のある情報であるか
・内容は学術的な状況をふまえているか
・情報の量や価値は一報に値するか

査読なし区分においても、編集委員会において以下の項目において審査を行い、掲載の可否を決定する。

記事種別 審査項目
保全情報
学術提案
巻頭言
・読者にとって知る価値のある情報であるか
・内容は学術的、社会的な状況をふまえているか

出版方針

1.原稿の受理

編集委員がその論文の掲載を可とし編集委員長がそれを認めた日をもって、その論文の受理日とする。

2.掲載料

掲載料は刷り上がり1ページあたり6,700円(消費税込)とし、ページ数の上限は設けない。筆頭著者が生態学会会員である場合は刷り上がりにおける以下の上限ページ数までの掲載料が免除される。

記事種別 生態学会会員に対する掲載料免除の上限ページ数
原著論文、調査報告、実践報告 8ページ
総説、解説 10ページ
保全情報、学術提案 8ページ
巻頭言 2ページ

3.製版用原稿

受理した原稿は、電子版と全文XMLを作成するため、投稿時と同じ書式のWordファイル、図表の挿入位置を示した本文のテキスト部分のみのファイル(図表の挿入位置を指示)、表のファイル、図の画像ファイル、図の説明のWordファイル、付録ファイル、J-STAGE Data公開ファイルを学会事務局日本生態学会誌担当に送付する。

表は印刷所でレイアウトするため、Wordの表組みを提出する。印刷において1つの表は原則として1ページに印刷できる大きさとする。大きな表や1ページを超える表は印刷所におけるレイアウト段階で2つ以上に分割される。極めて大きな表はオンライン付録やデータリポジトリでの提供を推奨する。なおレイアウト時の確認作業を容易にするため、印刷レイアウト用の本文テキストファイルにテキストボックスなどを利用して本文中の原稿右欄外にその表の初出の位置を「表1」のように記入すること。

図は十分な解像度のPDF、JPEG、もしくはTIFF形式で提出し、著者名と図の番号をファイル名に明記するとともに、レイアウト時の確認作業を容易にするため、印刷レイアウト用の本文テキストファイルの右欄外にその図の初出の位置を「図1」のようにテキストボックスなどを利用して記入する。出版用の最終原稿では図の説明を画像とは別のWordファイルにまとめて書く。カラー印刷(図および写真)の場合は、その製版印刷の全額を著者の負担とする。

4.校正

論文の校正は、原則として初稿のみを著者が行い、再校以降は編集委員長の責任で行う。校正は原則として製版の誤りのみについて行い、本文や図・表を大幅に変更することは認めない。やむを得ず原稿を変える場合には、変更に要した費用を著者に請求することがある。

5.別刷り

責任著者には論文の電子版(pdfファイル)を提供する。紙媒体の別刷は発行しない。

6.著作権(Copyright)

記事の著作権は著者に帰属する。

7.著作物の利用

すべての記事はオープンアクセスとし、その再利用に関しては 表示4.0国際(CC BY 4.0)に従う。機関リポジトリやウェブサイトなどに記事を公開したり、他の媒体に記事(の一部)を転載することができる。ただし、記事の一意性を担保するため、正本である該当記事の電子版にDOIを用いてリンクすることを推奨する。また、プレプリントサーバーで掲載前の記事の内容を公開していた場合は、該当記事の掲載後にその内容を削除するか、該当記事のDOIをその内容に表示することを推奨する。

8.訂正と撤回

著者は、編集委員会に、掲載された記事の訂正または撤回の申し立てをすることができる。この申し立ては編集委員会で検討し、その記事の訂正または撤回を編集委員長が決定する。

規約の改定

「編集方針」「倫理方針」「査読方針」「出版方針」「規定の改訂」における重要事項の改訂については、一般社団法人日本生態学会理事会の承認を必要とする。ただし、これらを除く軽微な変更については、保全生態学研究編集委員会の議を経て編集委員長が行い、一般社団法人日本生態学会理事会に報告する。

規定の適用

この規定は、2025年1月1日の投稿から適用する。

連絡先

保全生態学研究誌への投稿に関する問い合わせや編集に関する連絡は、以下の担当が窓口となる。

学会事務局保全生態学研究誌担当
〒603-8148 京都市北区小山西花池町1-8
一般社団法人日本生態学会事務局 気付
Tel/Fax: 075-384-0250
E-mail: hozen@esj.ne.jp


別添

保全生態学研究の記事区分「実践報告 (Practice Report)」に投稿する場合の注意事項

 Conservation Evidenceと連携してデータベースに収録するため、実践報告への投稿では以下の点にご注意ください(Conservation Evidence誌投稿規定からの抜粋)。
保全活動の効果について科学的に検証した論文を出版します。種や生物多様性、生態系の保全や復元を目的として意図的に行われたあらゆる活動(生息地の創出・復元、再導入、保全的移植、外来種管理、人々の意識変革や教育など)の効果を検証した研究が対象となります。
例えば、保護区に設置する看板に掲載する文章の変更や、外来種の駆除手法など、小規模な活動の効果を検証した研究も歓迎します。ただし、対象となるのは、活動の効果を種の個体数や種数など、定量的なデータを用いて検証したもののみとなります。特に、活動が行われる以前と以後の比較や、対照区と処理区の比較など、比較対象があることが望まれます。また活動の効果が必ずしも期待されたものでなかった事例の報告も推奨します。
一方、保全活動やモニタリングの手法のみについて報告するものや、種の生態や生物多様性の状態について報告するもの、意見論文等はこの記事区分の対象とはなりません(調査報告や保全情報、学術提案など他の記事区分をご検討ください)。

審査基準

  • 生物多様性の保全や復元を目的として意図的に行われた活動について、その成果を科学的に検証したもの。「成功」「失敗」等の用語は主観に基づくため使わないでください。
  • 著者以外の人が行った保全活動に関する意見等は出版しません。
  • 原稿は簡潔で、理想的には一つの保全活動とその効果に注目していること。効果について推論と事実を明確に区別して考察してください。特に重要となるのは、どのような保全活動が行われ、その結果何が起こったのかということであり、効果についての主観的な議論ではありません。
  • 同じ原稿がその他の雑誌等で発表されていないこと。
  • 同じ種類の保全活動であっても様々な対象や場所でその効果が検証されることが重要であるため、対象とした保全活動自体の新規性は問いません。ただし、同様の保全活動の効果が既に検証されているかどうか、可能な限り調べて序文で説明することを推奨します。

原稿の準備

表題:保全活動の種類、対象種や生息地、調査地等を含めてください。

要旨:保全活動の種類、対象種と調査地、また研究デザイン(保全活動実施以前のデータや対照区など比較対象があるかどうか)についての説明を含めてください。

序文:対象とした保全活動の効果が他の研究で既に検証されているかどうか、可能な限り調べて説明することを推奨します。

方法:論文の読者が同じ保全活動を行えるように、実際に行った保全活動について、いつ(具体的な日時等)、どこで、どのように行ったのか、できる限り詳細に記載してください。場合によっては、天候やその他保全活動の効果に影響を及ぼしそうな要因についても記載する必要があるでしょう。また、効果をどのように検証したか、例えば検証に用いたデータ(種の個体数や種数の変化など)や研究デザイン(活動の前後でデータを取得して比較したのか、対照区を設置したのかなど)についてもできる限り詳細に記載してください。可能であれば保全活動を行うためにかかった時間や費用も記載してください。

結果:保全対策の結果、何が起こったかについて詳細に記載してください。効果が認められなかった、他の種に悪影響があったなど、予期しない結果が得られた場合、それも記載してください。

その他は保全生態学研究の一般的な投稿規定に従ってください。

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