日本生態学会

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日本生態学会誌66巻1号表紙写真

ヒメオビオオキノコ


 ヒメオビオオキノコEpiscapha fortunei の成虫(甲虫目:オオキノコムシ科)。体長約11mm。日本全土に広く分布し、幼虫・成虫ともに様々なサルノコシカケ科のキノコを餌とする。京都市宝ヶ池公園個体群ではコナラ(Quercus serrata)の倒木に群生するクジラタケ(Trametes orientalis)を主な寄主キノコとし、同寄主を利用するルリオオキノコAulacochilus sibiricusと資源競争を繰り広げる。サルノコシカケなどの木材腐朽菌キノコは食菌性昆虫にとってパッチ状環境であり、そこにおいて多様な生物間相互作用が見られることから、チャールズ・エルトン以来、群集生態学における重要なモデルシステムとして活用されてきた(2015 年4 月12 日、門脇浩明撮影)。