日本生態学会

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第3回(2010年) 日本生態学会大島賞受賞者

受賞者:該当者なし


選考概要

 本賞には1名の応募がありましたが、選考の結果本年度は受賞候補者なしとしました。経過は以下の通りです。

 3賞のなかで本賞の候補者選考は最も議論を呼びました。本賞には1名の応募がありましたが、短時間で沢山業績を残すのが難しいテーマに地道に取り組んでいるという点で大島賞の被受賞候補者の条件に合致しましたが、受賞対象である長期調査の結果が実はまだ多くが論文発表され ていない点が推薦を躊躇させる主要な理由となりました。結論として、本委員会は本年度大島賞受賞候補に該当者はなしとし推薦を見送ることにしました。委員会としては今回の応募者の個性的な研究スタイルを高く評価しており、国内研究者の多様化を促す意味でも重要な人物と考えます。そこで本応募者には今後さらに努力・精進を続けて頂き、長期データがおそらく論文化されるであろう数年後に再度応募していただくよう本委員会は希望するものです。

 大島賞制度上の問題:本賞については委員から以下のような意見も出されたことを付言します。

1.応募者が少ない。「生態学的に価値あるデータを長年とっている」候補者はそう多くなく、今後も応募者が集まるか不安である。賞の性格づけを変える必要はないか。たとえば「空間的に広い」データを地道に取っているというスコープもいれてはどうか。しかし、アメダスなど既存のデータベースを利用したメタ解析は、候補者自身で採ったデータに基づかないため賞の理念にそぐわないだろう。

2.賞ができた当初、業績主義の生態学会賞とは違い、大島賞も宮地賞とは違う観点から、活躍中の中堅研究者を鼓舞する奨励賞という位置づけではなかったか。とすれば受賞へのハードルを少し下げることも考慮すべきではないか。

3.受賞者により大島賞のイメージを定着させる必要がある。潜在候補者への委員等による応募の働きかけが必要である。

選考委員会メンバー:河田雅圭,齊藤隆,杉本敦子,辻和希(委員長),津田みどり,永田 俊,井鷺 裕司,久米 篤,宮下 直

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