日本生態学会

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会長からのメッセージ -その14-

「大会講演要旨集(紙媒体ならびにPDF版)の廃止について」

 2009年の盛岡大会までは,参加者には冊子体の講演要旨集を配布していました。2010年の東京大会からは,大会参加費をおさえ、紙資源の節約ために冊子体は希望者のみ有料で配布するのみとし、プログラムは事前に郵送しています。静岡大会での冊子体購入者は300部余りでした。残念ながら、部数を減らしても、冊子体(PDF版)を作る労力はほとんど変わりません。

 海外の大会でも、講演要旨集の冊子体の作成をやめているところは多々あります。その代わり、インターネット環境で要旨(html形式)を閲覧できるように工夫しています。生態学会でも、講演要旨は公開され、たとえば静岡大会のすべての講演要旨は学会サイト(http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/index.html)からZIP形式の圧縮ファイルで一括して入手できます。それを解凍して個人のパソコンに入れておけば、ネット上と同じように閲覧したり、日程表、講演者やキーワードを検索することが可能です。また、どんなセッションがあるかを眺め、興味あるセッションの要旨を見ることも、名簿を見ることも可能です(http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2013/ESJ-message-1304.html)。私も、教えていただくまで気づきませんでした。講演要旨集は電子媒体で公開されており、必要な講演だけでなく、全部一括して入手し、ネットにつながらない環境で閲覧、検索できます。

 たしかに一括して紙に印刷するにはPDFファイルが便利であり、今まではこれも作成し、上記サイトから入手できるようにしていました。しかし、PDF版を作成する労力自体がかなり大変で、要旨登録の時期もそのために早めなければなりませんでした。

 生態学会では、持ち回りの地区会が実行委員会を結成し、大会の便宜を図っていますが、それと並行して大会企画委員会が作られ、その委員の方々の並々ならぬ努力によって、この大会は成り立っています。各大会ごとに、業務の外部委託も含めて、大会運営コストをできるだけ下げることを検討し、人的にも資金的にもギリギリの線で運営されています.大会は、実行委員会と企画委員会のボランティアで成り立っているのです。すでに自由集会の数も限界に達し、日程の割り振りも大変です。大会は学会の最重要行事の一つですが、だからこそ、参加費を少しでも安く抑えたいという希望もあります。

 広島大会では、活力ある大会を実現している実行委員会と企画委員会の負担を少しでも軽くするために、冊子体とPDF版の作成を取りやめることにします。

 冊子体とPDF版作製を廃止することにより、冊子体を購入されていた方のご希望に添えないことになってしまい、申し訳ありません。しかし、講演要旨を確認し、検索するというサービスは、上記の形で提供されています。

 以上、ご理解いただければ幸いです。

2013年4月22日 日本生態学会会長 松田裕之

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