日本生態学会

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会長からのメッセージ -その6-

「退任のごあいさつ」

 札幌大会65の会期中の総会とその後の第1回理事会で、占部城太郎さんに会長を引き継ぎました。それまでの2年間、多くのみなさんから献身的なサポート受けたこと、心から感謝いたします。ほんとうにありがとうございました。日本生態学会が、ますます発展することを確信します。

 前会長の齊藤 隆さんからの引継ぎ事項のうち、一般社団法人としての学会運営を軌道に乗せることと、学会の国際的な活動をさらに進めることは、おおむね実現できたように思います。特に、2019年からEcological Researchに加えて、個体群生態学会のPopulation Ecology、種生物学会のPlant Species Biologyの3英文誌をWiley社から合同出版することが決まったことは、日本の生態学の国際的な発信力の強化に大きく貢献すると期待されます。

 一方、学会の財政基盤の健全化、大会システムの外部委託を含む大会運営のあり方については、いくつか課題を残しています。しかし、これらの課題も今後1年以内に解決され、新執行部から学会員のみなさんにポジティブな提案がされると思います。

 法人としての生態学会は、「生態学の進歩と普及を図ることを通じて、社会に貢献すること」を目的としています(定款第3条)。「博物館とそれを支える学芸員」と「ヒアリの侵入対策」についての会長メッセージは、生態学会から社会への発信という意味合いも込めました。学会の目的を達成するためには、国内外の大学・研究機関、学協会、EAFES(東アジア生態学連合)など学協会の連合組織などとのアカデミックな連携に加え、国や地方の行政、NGO・NPO、民間企業など、社会の多様なステークホルダーとの連携も重要です。

 生態学では、環境と生物の多様性とそれらの相互作用を研究しますが、生態学会員のみなさんの多様性と相互作用が学会運営の原動力です。男女共同参画がさらにすすみ、若手がこれまで以上に活躍する生態学会になることを願っています。

2018年3月31日 一般社団法人 日本生態学会 前会長 可知直毅

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