日本生態学会

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”生態学”とは何か むし

 「生態学」は、生物と環境、または生物同士の相互作用を理解しようとする学問です。生物はさまざまな形で周囲の環境と関わりを持つと同時に、多数の生物種とも相互作用しながら生活しています。何百万とも何千万とも推定される生物種の「生活の法則」を解明することが生態学の目的です。

 生態学の研究は、ある環境で生活する生物種のおもしろい生態に焦点を当てて、データを取るところから始めます。そして、そのデータを主に「共通性」と「多様性」という2つの視点から分析します。生態学者はさまざまな生物のデータを比較することでそれらの生物に共通する法則やメカニズム、逆に生物ごとに違う法則やメカニズムを見出します。このような発見をジグソーパズルのように少しずつつなぎあわせることによって、生態系のしくみが見えてきます。そのためには、飽くなき探求心が求められます。生態学者に必要なのは、好奇心と地道な調査を続ける熱意であると言えるでしょう。

 地球温暖化、絶滅危惧種の増加や侵略的外来種の定着などの環境問題が進行するにつれて、生態学の重要性はますます高まっています。地球温暖化が進行すると、生態系はどのように変化するのか。生態系や生物多様性を保全するためには、どのような方策が必要か。このような壮大な質問に応えるために、今日も生態学者は森に分け入り、乾き切った荒原を歩き、大海原に調査船を繰り出して、ジグソーパズルのピースを集めます。

あなたも、ジグソーパズルの1ピースを探す旅に一緒に出かけませんか?

(編集 日本生態学会生態学教育専門委員会)


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